サーフでルアーを投げてようやく魚を釣り上げた後、皆さんはその魚をどうするでしょうか?
食べるために持ち帰ったり(catch & eat)、写真を撮ってリリース(catch & release)すると思います。
私も勿論そのどちらかになるのですが、
昨年からは釣れたらとりあえず“ライブウェル”に魚を入れています。
ライブウェルと言いましたが、当然水槽やクーラーのような大掛かりなものではありません。
それは、携帯することができ、防水で、単体で水が汲むことができる『サーフ用簡易ライブウェル』になります。
私が提唱するこの簡易ライブウェですが、釣り人にとっても魚にとっても有用なものだと考えています。
この記事では、このライブウェルについてと、その具体的な活用法について紹介していきます。
サーフ用簡易ライブウェルについて
サーフ用簡易ライブウェルとは?
そもそもライブウェルについてですが、以下のようなものになります。
『ライブウェル(live well)』とは、釣り上げた魚を生かしておくための生簀(いけす)のこと。
リリース前提の釣りのバスフィッシングでは一般的で、ボートには酸素循環機能付のライブウェルが備え付けられたりしています。他にも、泳がせ餌用の生き餌を一時的に入れて置く時や釣った魚を観察する時などにも使用します。
上記の説明のように、船などには専用のライブウェルが付いていたりします。
ただ、ショアの釣りでは釣った魚を一時的に活かしておくには、バケツやクーラーなどが一般的でしょう。
しかし、ウェーダーやゲームベストなどを装備するサーフフィッシングの特性上、クーラーなどの荷物を浜に持ち込むのはとても大変です。
そこで私は使用したのがこちら、Amazonで購入した『サンドテーブル』というものです。
サンドテーブルってなんだ?と思われるでしょうか、
これは子供が砂遊びするためのしきり、つまりはおもちゃです。
これを下の写真のように、サーフで使用する『ライブウェル』として使用しています。
この製品は、コンパクトに取り畳むことができる「携帯性」「軽量」の他に、「防水性」「耐久性」を満たし、さらには「単体で水汲みが可能」です。
サイズは、展開時は48×48×7cmで、折り畳んだ際は25×10×2.5cmくらいになります。
対角線の長さは約68cmなので、70〜80cm級の魚も重要な頭部含めボディのほとんどを入れることができます。
サーフでライブウェルを使用する理由
ここでこのライブウェルを使用する理由をまとめておきます。
理由は大きく2つ。
美味しく食べるためと、魚を無事にリリースするためだと考えます。
- 一時的に活かしておくことで魚の鮮度を落とさない(for eat)
- 魚を(無事に)リリースする時間を伸ばすことができる(for release)
私がサーフでライブウェルの使用を決めたのはリリースのためでした。
私は2021年から下の記事のように、タグ&リリース活動をスタートしたのですが、
この活動では、「魚の計測(尾叉長、全長、体重)〜写真撮影〜タグ打ち…」とリリースまでにかなり時間を要してしまいます。
リリースはただ海に帰せばよいのではなく、無事に帰さなければ意味をなしません。
そのため、計測からタグ打ちの間に魚が弱らないようにサーフで使用できるライブウェルが必要になりました。
タグ&リリースの活動以前から、私はサーフで魚を一時的に活かしておくための最適な方法を模索しておりました。探している中で気になっていたものがあり、それがこのサンドテーブルです。
サンドテーブルの欠点
前述したサンドテーブルはAmazonで「サンドテーブル」と検索すればヒットして、2000円程度で購入できるのですが、何点か注意があります。
※購入は自己責任でお願いします。
この製品は中国で製造・販売されています。
注文する前、商品ページで不自然に合成された海外の子供とこの商品の写真、ショップの感じから「ホントに届くかな?」と不安になりました。
商品は届いたには届いたのですが、非常に遅く1ヶ月ほどでようやく届きました。
また、覚悟はしていたのですが、最初から所々穴が空いているというユニークな商品です。
そのため、PVC用のボンドで補修して使いました。
ライブウェル自作改良
多少難はあったもののサーフで使用する一時的なライブウェルとしては十分です。
しかし、購入したサンドテーブルに対し、サイズを調節し、より強度があり、より使いやすいものが自分でも作れるんじゃないかと思い、このサンドテーブルを参考に作成してみました。
それがコレです。素材をより強固なターポリンにし、衝立部分の素材も強いものへ変更。
これにより水も汲みやすく、より安定して水を留めます。
さらに、サイズを少しコンパクトな40×40×7cmにし、折り畳んだ時にゲームベストのルアーボックスポケットに入るようにしました。
実は先ほどのサンドテーブルのサイズでは前面のポケットには入らず、背面に入れていました。よりスピーディに魚をライブウェルに入れるため、即座に取り出せる前面ポケットに入るようにしました。
※大きい魚に対しては、背面ポケットに従来サイズ(50×50×7cm)で作成したのライブウェルもしくはレジャーシートで対応しています。
これで理想的な「携帯性」「軽量」「防水性」「耐久性」「単体で水が汲み可能」な『サーフ用簡易ライブウェル』が完成(仮称:Z式ライブウェル)、現在はこちらを使用しています。
具体的活用法
ここで、このライブウェルで考えられる活用法をいくつか紹介したいと思います。
①(無事に)リリースできるまでの時間を伸ばすことができる。
魚をリリースするが、写真を撮ったり、サイズを測りたいという人はたくさんいると思います。ただし、魚を空気中に置いている時間が長ければ長いほど、リリース後の生存率は下がってしまいます。
魚が弱ってしまう前にそれら一連のことをしなければなりません。
慣れていれば直ぐに終えることができるでしょう。
しかし、釣った直後というのは興奮していて上手くいくかない時もあります(そのような時に不意にライントラブルを生んだり、タックルを破損したりも…)。
しかし、釣り上げた直後にこのライブウェルに入れれば、とりあえず一安心。
ロッドスタンドに竿を置き、一息つくことができます(ファイトで興奮状態の魚も同様)。
その後は、メジャーやスマホを準備し、落ち着いて写真を撮ったり測定すれば良いと思います。何より、普段はなかなか見ることができない生きた魚をゆっくりと観察することもできます。
素早く一連の動作を行う自信のない人や、私のようにタグ&リリース活動を行っている人にはおすすめです。
②綺麗な魚の写真を撮ることができる。
リリースする・しないに関わらず、釣り上げたサーフで写真を撮る方は多いと思います。
砂地に置いた魚単体の写真や、物持ちの写真など様々です。
サーフフィッシュのランディングは必然的に砂地にずり上げることになるので、往々にして砂まみれになってしまうことも多々あります。
一度、波打ち際で洗って地面に置いて写真を撮ろうとしたら大暴れ…また砂まみれにという経験があるのではないでしょうか。
しかし、砂まみれになったらライブウェルで一度砂を落として、再び綺麗な魚体の写真を撮り直すこともできます。
※砂まみれの方が雰囲気があるとか、気にしないという方はいいと思います。
ライブウェル内の魚を撮れば、水水しい魚の写真も撮れたりもします。
③回復措置を安全に行い、スムーズにリリースすることができる。
サーフで釣った魚をリリースする際には、波打ち際にてフィッシュグリップで魚をつかんだまま海中に入れて、回復させてからリリースするのが一般的方法なのではないのかと思います。
しかし、サーフでは時としてうねりや風の影響で波が強かったり波足が長くなったりと、波打ち際での回復行為はリスクを伴う場合があります。
そのような状況では、不意に波を被ってしまうなどのトラブルも発生するかもしれません。
また、引き波•押し波で行ったり来たりする海中で措置を行うのは困難です。
しかし、ライブウェルがあれば安全にしっかり回復させた後、波のタイミングを見てスムーズにリリースを行うことができます。
④新鮮な状態で持ち帰ることができる。
サーフで魚が釣れた後も釣行を続ける場合、釣った魚は皆さんはどうしているでしょうか?
- 車のクーラーボックスに入れに行く人、
- ストリンガーに引っ掛けて魚を引きづりながら釣りする人、
- 〆て血抜きをして埋めておく人、
- 海水を入れたビニール袋に入れて置いておく人…
と様々だと思いますが、
このライブウェルがあれば、釣った魚を一時的に入れておいて一定時間は活かしておくことができます。釣行終了後、魚の処理をすれば新鮮な状態で持ち帰ることができます。
これを使用する前は、ビニール袋に海水と一緒に入れて置いたり、〆て血抜きをして埋めておいたりしていました。
しかし、ビニール袋だと時々鋭い歯や背ビレで破られてしまい、海水が漏れていつのまにか死んでしまっていることもありました(ビニールも使用不可になりもったいない)。
死んでしまうと、心臓が止まり血抜きが効率良くできず、身質が悪くなってしまうこともあります。
また、〆て血抜きをして埋めておく方法は、血抜きはしっかりできたとしても、やはり冷やしておかないと時間経過とともに身は悪くなっていってしまいます。
ライブウェルがあれば、(時期にもよりますが)ギリギリまで魚を活かしておくことができます。
⑤(釣った魚の処理は後回しで)時合中の釣りに即復帰できる。
サーフでは突然時合いが始まってバタバタと釣れることが往々にしてあります。
その時合いも長く続くものではなく、短時間で終わることもあります。一匹釣り上げ、魚の処理や写真・計測をしていては短い時合いが終わってしまうこともあります。
そこで釣れた直後このライブウェルにとりあえず入れれば、すぐ釣りに復帰できます。
もしかしたら複数キャッチできるかもしれません。
そして、時合いが終わった後や釣行終了後に魚の処理をすればいいです。
⑥血抜きプールとして使用できる。
魚を血抜きする場合、動脈を切り海水中で魚を振れば効率よく血を抜くことができますが、その流れた血によって魚が釣れにくくなるという話を聞いたことがあるでしょうか?
これについてですが、魚は同族の血に対して忌避反応を示すという研究もあります。
ただ調べた限りではどの魚種に対しても当てはまるかは不確定であり、考え過ぎかもしれません。しかし、もし気になるならこのライブウェルで血抜きをすれば海水中に血を流出させることなく処理が可能です。
まとめ
サーフフィッシングのためのライブウェルについて紹介させていただきました。
タグ&リリース活動のために導入したこのライブウェルですが、標識ヒラメの再捕により無事にリリースすることが確認できてます。
また、魚を持ち帰るという点においても、魚の処理を後回しにすることができるのは非常に便利でした。
この記事は以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。