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【後編】サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州 ~準備から、釣り上げるまで~

サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州 ②
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前回の記事↓の続きになります。

サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州 ①
【前編】サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州 ~狙うきっかけから決意~昨年サーフアングラーの夢の一つ『怪魚オオニベ』を静岡県の遠州灘サーフで釣ることができました。オオニベを狙うきっかけから釣り上げるまで、タックルやルアー、ポイントや時期、釣り方などを含め記事にしました。【前編】...

前回、私や六畳一間の狼のSUUさんに謎の巨大魚がヒットし、そして膝から崩れ落ちるほどの悔しいバラシを味わいました。この経験から私は本気でオオニベを狙うことを決意。
今回の記事ではオオニベを釣り上げるための準備から実際のキャッチに至るまでを書きました。

オオニベチャレンジ

前準備

オオニベを狙う上で、圧倒的にその対象についての知識が不足していたので、宮崎サーフでオオニベを釣り上げた方のブログやYouTube、雑誌等でオオニベを釣るための情報を仕入れていきました。最後に詳細をまとめましたが、要点はこのような感じ

○ラインキャパ
大型のオオニベには300m以上走る個体もいるので、ラインは300m以上必要。先日バラした魚は200m巻きで明らかに足りなかったです。

○フッキング
ファイト時間が30分を超えることもあり、その間にフックアウトしないようしっかりフックを刺すことが重要。

○ファイト
オオニベと喧嘩してはいけない。
最初のファーストランを無理に止めようとしたら、高確率でラインブレーク、もしくはフックが曲がります。また、寄せるときはオオニベを刺激しないように優しくラインを回収していくこと。下手にポンピングしたり、ライン回収すると怒ってまた走っていってしまいます。

○心構え
ヒラメやマゴチ釣りではありえないような事態になります。
こういう時こそ落ち着くことが大切です。準備・イメトレ大事。

上記の点を踏まえ、以下のようなタックルセッティングにしました。

【ロッド 】SHIMANO NESSA CI4+ S100MH+
【リール 】SHIMANO 18STELLA C5000XG
【ライン 】Y.G.K XBRAID CASTMAN BLUE-SP X8 #1.5(30lb)300m
下糸:DAIWA ASTRON ISO PROPACKⅡ#5(20lb)
【リーダー】VARIVAS SEABASS SHOCK LEADER NYLON 30LB.

【補足】
下糸+PE   ⇒ SCノット
PE+リーダー ⇒ SCノット
リーダー+コンビリング(JUMPRISE)#3 ⇒ イモムシノット

まず、改善したのはラインセッティング。
200m巻きでは足りないので、300mへ巻き変えましたが号数は2号から1.5号へ落としました。オオニベ釣りでは、太さはある程度確保されていれば良く大事なのは長さ。下巻き約80mもあわせて全体380mで準備しました。
サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州その下巻きですが、以前は釣具屋ライン巻きコーナーにあるような適当なナイロンラインを使用していましたが、磯用のナイロンラインを購入。また、色は赤色のものを選択しました。以前、下糸とPEの色が同じでライン残量予測が上手くできなかったため、今回はファイト中PEが残り少なくなった時どれくらいで下糸になるかわかりやすいようにしました(PEの色は、ステルスシルバー)。結束も電車などではなくしっかりSCノット

(ちなみに、飲み物として今までジュースやお茶でしたが、ドラグ冷却のためにもサーフでは今後を持つことにしました。)

チャレンジ開始!初日にしてッ…!

本格的なオオニベシーズンになり、釣り仲間と第一回目のオオニベチャレンジへ向かいました。そこで、やらかしました…管理人でなく釣り仲間がっ…!

見事なメーターオーバーのオオニベ!ナイトサーフで103cm 11kgの正真正銘の怪物でした!
ヒットルアーはDUOのグアド130S。最初は管理人とともに鉄板バイブで攻めていましたが、途中からレンジが入るミノーに変更。ゆっくり巻いて手前のかけ上がりでゴツゴツっとしたあたりがあり、それを合わせたそうです。
自分が釣れず悔しいという感情以上に、仲間内でサーフの怪魚を釣り上げることができたのは本当に感動でした!サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州

認識の改め

今回のオオニベは、今後の釣行にとっても非常に有意義なものでした。

その一つとして、ヒットの状況を知ることができたことです。
管理人はこれまで宮崎オオニベについて調べてばかりいたせいか、大分頭が凝り固まっていました。というのは、宮崎オオニベの記事のほとんどには、あるヒットパターンが書かれています。それは『リフト&フォール後のボトムステイ』。
オオニベはフォールするものに強い関心を示し、着底後でも拾い喰いするそうです…そのため、宮崎でよく使用されているのはジグやバイブレーションといったルアー。
今回そればかりが頭にいってしまい、不慣れなバイブレーションで攻め続けていました。もちろん、その攻め方でも釣れないことはないでしょうが、状況によっては宮崎の攻め方が遠州で必ずしも最適とは限らないかもしれません。やはり釣りというものは、実際のそのフィールドでの状況に応じて対応していくものだと実感しました。

今回のヒットの状況としては、シンキングミノーのグアド130S(レンジ:80~200cm)をゆっくり巻いていき、手前のかけ上がりでバイトしてきたというものです。
おそらくルアーが泳いでいたレンジは1m以下くらい、ヒットの場所の水深はおそらく1.5mもなかったのでボトム近くをゆらゆら泳いでいるルアーを追いかけ、手前のかけ上がりに追い込み、喰いつき反転したと考えられます。

サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州オオニベの向きとグアド130Sの向きが反対称

また、隣でオオニベとのファイトを動画だけでなくこの目で実際に見れたことも為になりました。

サーフの夢

チャレンジ4日目…横風爆風荒波…使用するルアーは…!

まさか、オオニベチャレンジ1日目にしてメーターオオニベが出るという事態は想定していませんでしたが、管理人は釣れていません…笑
オオニベの回遊してくるかは運…この時期はこの時だけかもしれない…
その思いで次の日も仕事後釣行しましたが、オオニベは出ず…

その次の日も不発…

そして、運命の4日目のナイトサーフ、この日は風速が10m/s近い西風強風、そして荒波。
普通であれば、釣りをするという状況ではないのですが、オオニベの回遊が終わってしまうのではという思いから決行…当然釣り場には誰一人いない…砂が舞い、うねる海…
そこで投げるはこのルアー、

【ルアー】DAIWA SHORELINE SHINER Z セットアッパー145S-DR
【フック】OWNER C’ultiva STX-58 #3

サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州釣行日の昼間に釣具屋でたまたま手に入れました(しかも、チャートバックパール)。レンジはグアドと同様、最大2m。飛距離も良く、ロングリップのおかげで荒波でも飛び出ることなく泳いでくれるでしょう

流石に横風の状況のため凄い飛ぶわけではないですが、50m以上は飛び飛距離は十分です。横風で糸が持っていかれるのでキャスト後、高速で糸ふけをとりルアーを潜らせます。釣りする状況としては最悪ですが、ラインメンディングさえしっかりすれば数十mを手前のかけ上がりまで引けることができました

オオニベヒット、そしてランディングへ

これは行けそうだということで、1時間程キャストし続けたでしょうか。ルアーが手前のかけ上がりの前くらいに到達した時、コツンと軽いあたり。慌てず巻き続け重さが乗った瞬間、全力で引き合わせをぶち込みました!!
その瞬間、強烈な首振りが始まりました。フッキング時は手元ドラグ2kgでしたが、すぐに1.5kg前後まで下げたところ、沖に猛烈に走り出しました
何ヶ月か前に掛けた時のようにどれだけ走るか?しかし今回は全体で380mのライン。これだけあれば…と構えていましたが、ファーストランは80m?くらいでした。
止まってからはゴリ巻きですが、時折ラインを出されたり、首を振ったり、急に突っ込んだりとサーフで初めての経験の暴れっぷり…しかし、一度ファイトを見ていたので割と落ち着いて対応できたと思います。何度目かのオオニベのランの時には釣り仲間に電話しランディングの依頼をすることもできました。

ちなみに、このオオニベは沖に一直線というより斜めに走っていくので、必然的に管理人も横にスライドしていきましたが、誰もいないサーフを存分に活用し、どんどん走らせていきました。巻いては出されを何度も繰り返しましたが、後半になると流石にゴリ巻きだとしんどくなってきたので、サーフの釣りではほぼ使う必要のないポンピングも使用していたと記憶しています。
ファイト時間は10分程、ついにこの怪物も観念したようでもう波打ち際に姿が見えました。最初に掛けた地点から横に100mほど移動してきたでしょうか?
そこは地形がなだらかで上手く波と合わせて砂に乗せることができ、最終的に尾の付け根を持ってキャッチ成功しました(その直後釣り仲間が到着)。

釣り上げたオオニベは、メーターオーバー!103cm 10kgでした!!サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州釣り上げることができたオオニベは雄々しく、白銀の魚体と、頭部から背中までうっすらと紫色が光り本当に美しかったです。
また、意外と知られていませんが、オオニベの目も角度や光の具合で紫や焔色に輝きます(パープルアイ)。サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州ルアーの掛かり具合を確認すると、狙い通りリアフックがかんぬき部分にしっかりと掛かり、ミドルフックも付随するように刺さっていました。
その後ルアーを調べると、フロントの3番の太軸フックが曲がり、ミドルフックのルアーリングが90度曲げられており、たった一度の釣行で使用不可になりました(ただ、十分過ぎる釣果を呼び寄せてくれました)
サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州

(さらに言うと、この釣行から2週間後、買って1年も経っていないステラが故障。釣行中突然ハンドルが回らなくなりました。流石にSW機でなく汎用機、大物とのファイトで内部のクリアランスや噛み合わせが狂ったのかもしれません。)

オオニベと出会う方法

幸運にも釣ると決心したその年に、オオニベを釣り上げることができました。
前準備の段階で下調べした内容と実際に釣ったことを踏まえ、オオニベの狙い方を管理人なりにまとめました。

ポイント

怪魚オオニベも魚である以上、ヒラメと同じように流れがあり、捕食のためにベイトが溜まる場所を好んで接岸するはずです。しかし、あの巨体であるため、ある程度の水深が確保されたポイントを選択することでオオニベの回遊に会う確率が高くなるかもしれません。サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州

ベイト

宮崎サーフに関して言えば、オオニベのメインベイトはグチ。グチが接岸するとオオニベの回遊の可能性があがるそうです。普段深場に生息するオオニベは12月~1月になると産卵前に荒食いするために、わざわざ浅場に出向きベイトを捕食するとのこと。
ただ、遠州サーフにおいてグチが大量に接岸するというイメージはあまりなく、一般的なイワシやサッパ、コノシロ、ボラなどを魚である以上当然捕食しているでしょう。ただ、あの巨体を維持するため、効率よくある程度大きなベイトを捕食するのではと考えます。ちなみに、今回釣り上げたオオニベの胃袋には12cmくらいのボラッコが12匹もはいっていました。サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州

ヒットパターン・ヒットルアー

ボトム付近のレンジで捕食を行うようです。また面白いのが、様々な記事で書かれているヒットパターンとして『リフト&フォール後のボトムステイ』がありました。
オオニベはフォールするものに強い関心を示し、着底後でも拾い喰いするそうです…
そのため、宮崎でよく使用されているのはジグやバイブレーションといったルアー。
しかし、今回活躍したのは、ミノーでした。遠州サーフでも宮崎主流の攻め方でも釣れるようですが、所変われば品変わるようにベイトや地形など場合によっては様々な方法を試して方がいいとは思います。今回はミノーを底スレスレにゆっくり引いてきて波打ち際でバイトした形でした。

フッキング

オオニベのフッキングは、後述するように長いファイトとなるためしっかりとフックを掛けることが重要です。また、大型のオオニベの口は特に硬いのでその点には十分留意する必要があります。

下の写真はメーターオオニベとヒラメの口骨標本です。

サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州口骨標本(左)約100cmのオオニベ、(右)約70cmのヒラメ 手前のルアーは95mm

メータークラスになると座布団ヒラメの骨より大きく、厚いものとなります。この厚い骨を貫くのは現実的ではありません。

次の写真は、オオニベが骨になる前のものです。サーフの怪魚『オオニベ』が釣れた話 in遠州

歯を覆う歯肉は厚く、結構固めだったと思います。イメージとしては硬質のゴムのような。
口蓋を覆う肉も薄いですが、しっかりとした硬質ゴムが張られているようでした。

実際フッキングをする際は、写真から見ても肉が刺さりやすく厚いかんぬきに掛かるのが理想と考えます。
(ただ、唇や歯肉がかなり厚くしっかりしているので(大鯛狙いのように針のサイズを抑え)、そこに刺さるのを狙っていいかもしれません。)

ファイト

ヒットした後は、オオニベの動きとファイトの方法を理解していることが重要で、それを知らないと獲る確率はかなり低くなると思います(先日私がバラしたように…)。

ヒットしたオオニベは勢いよく沖に走っていきますが、この時に無理に止めようとしては絶対にしてはいけません。ドラグを締め止めようものならラインブレイク、もしくはフックが曲がり終了します。
ラインやフックの強度を考えた強すぎず弱すぎないドラグセッティングの上、最初に走るだけ走らせて疲れさせてから勝負するのが基本のファイトスタイルになると思います。
ただ、大型オオニベの中には300m以上走る個体もいるので、ラインキャパは十分な量が必要になります(ただナイトはそこまで走らないようです)。
オオニベのファーストランが止まったら首振りや、急な突っ込みに注意しつつ、刺激しないようゆっくり寄せてくる形になると思います。上述したように、オオニベとは喧嘩してはいけません。

心構え

いつもサーフで、ヒラメやマゴチを釣っていますが、それとは次元が異なる事態になります。こういう時こそ落ち着くことが重要です。
そのためには、準備とイメトレが大事になってくるのではないかと思います。

準備という点において、管理人はできる限りの準備をしてきました。それはリーダー、PEから下糸に至るまでのライン、フック、ドラグ設定、飲料水に至るまでしっかりと準備をし、不安要素を極力取り除きました。ファイト中に余計な不安が浮かばないようにすることは大事だと思います。

イメトレという点においては、実際のオオニベの動画を観まくりました。その動画もただ漠然と見るのではなく自分自身がファイトしているのを想像してみてました。
最も管理人が観た動画は、ヒデはやしプロの巨大オオニベとのファイト動画です。この動画に関しては100回は観た!…とは言いませんが、60~70回は観たと思います。

まとめ

昨年、春にナゾの魚を掛け、PE200mを出し切られてバラしたことから始まったこのオオニベチャレンジ…
もしかしたら、オオニベを釣るには何年も掛かるかもしれないとも考えたこともありますが、幸運にもその年に釣り上げることができました。

NHK・ドキュメント72時間「宮崎 ナゾの巨大魚を追え!」の中で宮崎のアングラーの方が言ってましたが、オオニベを釣るのは宝くじにあたるようなものと表現していました。
これからの人生でヒットする魚の中には、もしかしたら一生に一度の魚もいるかもしれません。
今後もそんな魚に出会い、釣り上げることができるようサーフに通っていきたいと思います。
記事は以上になります。
ご精読ありがとうございました。

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